Kバレエ・オプト 『踊る。遠野物語』取材ノート❶

2026年1月9日 Kバレエ・オプト 『踊る。遠野物語』取材ノート

Kバレエ・オプト 『踊る。遠野物語』取材ノート❶

K-BALLET Opto(Kバレエ オプト) | Bunkamura

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踊る。遠野物語 | K-BALLET

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〈取材ノート第1弾〉

取材日:5月19日 場所:Bunkamuraオーチャードホール
取材した人:演出・振付・構成・出演:森山開次、出演:麿赤兒

作品の概要、見どころ
作品を通して伝えたいメッセージなどを伺った。

本舞台は、特攻隊員の青年を主人公に据えたストーリー仕立てで展開する。青年の乗った戦闘機が遠野の地に落ち、青年は謎の少年に導かれながら遠野をさまよう。この世とあの世が交差する幻影の地で、青年は愛しい許嫁の面影を追う。劇中では雪女や座敷わらし、オシラサマなど、遠野物語でおなじみの「異形の者」たちが次々に登場する。

 主人公の特攻隊員を演じるのはKバレエ トウキョウのプリンシパル石橋奨也。長身を生かした伸びやかな踊りと深い表現力が持ち味で、内面からにじみ出る繊細な感情表現で観客を引き込む。許嫁役はKバレエ トウキョウのソリスト大久保沙耶。透明感あふれる優美な舞姿が魅力で、古典からコンテンポラリーまで幅広く踊りこなす。このほか、Kバレエ トウキョウの実力派ダンサーたちが多数出演する。

 Kバレエと共演する舞踏家陣も豪華だ。舞踏創始者・土方巽の弟子として知られる麿赤兒をはじめ、麿が率いる舞踏集団「大駱駝艦」のメンバー、そのほか複数の舞踏家たちが魂の踊りを見せる。

 演出と振付を手掛けるのは、舞踊家でもある森山開次。宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を主題とした創作舞など、自ら演出・振付・出演する作品を数々発表している。日本ならではのモチーフを独自の美学で表現した作品は国内外から高く評価されており、東京2020パラリンピックでは演出とチーフ振付を担当した。今作では自らも「河童」役で踊る。

 8月から本格的な稽古が始まるのを前に、森山と麿の2人に都内で話を聞いた。森山は「踊り手一人一人異なる身体の感性を持っているはず」と話し、稽古をしながら徐々に振付を完成させていくという。「遠野物語の逸話の中の、言葉では説明できないようなさまざまな体験を実感として観客に届けること。踊りはそれができる力を持っていると思うので『感じる身体』というのを作品の中で伝えていきたい」と語った。

 麿は、舞踏家と俳優の二足のわらじで第一線を走り続ける82歳。「もうこんな舞台に立てるのは最後かもしれないからね」と笑う顔には重鎮の風格がにじむ。今作について「何がリアルで何が幻想なのか、そのはざまの不思議な世界をどこまで表現できるか。遠野という広がりのある主題の中で、ある意味なんでもできる」と意気込んだ。

 「時代性のある新作」をコンセプトとするKバレエ・オプトの第4作目となる「踊る。遠野物語」。舞台を通じてどんな新しい体験とメッセージを届けてくれるのか、上演の時を楽しみに待ちたい。

聞き手:千葉園子

森山さん

麿さん

2026年1月9日 Kバレエ・オプト 『踊る。遠野物語』取材ノート